社会を元気にする

不登校、引きこもりの原因はどこに

 


 塾講師の方からメッセージが届きました!

私は、東京近郊で塾の講師をしています。ここ10年、ご父兄からいじめにあって、不登校•引きこもりになったお子さんの相談を受けることが増えています。
 ご両親に連れられ、子どもたちがやって来ますが、どの子にも共通していえるのは、顔色が悪いことです。アトピーで、皮膚が赤く腫れている子も少なくありません。口数が極端に少なく、同年代に比べて元気がありません。友人がほとんどいないのも共通しています。そのため余計、家にこもって外出しなくなってしまうようです。
 こんな時、昔なら同居する祖父母、近所の口うるさい老人などが声をかけてくれて、子どもたちも行き場がありました。しかし、今は核家族化が進んだため、同居する祖父母はいません。近所の口うるさい老人も、「他人のプライバシーに首を突っ込むな」と、嫌われるだけです。いつの間にか、姿を消しました。。親子の会話といっても、夫婦共稼ぎのため、親にも精神的余裕がありません。疲れ切った母親、父親に子どもは遠慮し、会話は形だけになります。そして、悩み苦しむ彼ら、彼女らは、学校での度重なるいじめに耐えきれなくなります。ある日、突然、不登校になり、引きこもったまま部屋から出てこなくなる。
 親は、何とかしようと学校に相談します。しかし、ごく一部の先生を除いて教師はほとんどの方が逃げ腰です。自分の生活や出世の妨げになる「いじめ」には関わりたくないからです。その結果、先生と学校に失望し、行き場のなくなった子供たちはスマホ、パソコンで仮想世界に没頭することになります。外に出ないで、実体のない世界に浸ります。朝から部屋に引きこもり、家族との団欒もありません。当然、食事も自分の部屋、スナック菓子などのジャンクフードばかり口にすることになります。このため体調は悪くなり、糖尿病や、肥満、アトピーなどの病気になります。最後には、昼夜逆転の生活です。ますます社会から遊離していきます。

 そして、行き場を失った方たちが、口コミでお知りになるのか、「いちるの望み」と、私のような長年不登校、引きこもりの子ども達を見てきた者に相談にいらっしゃいます。
 私は、お話を伺うたびに、やり場のない怒りを覚えます。なるほど、子育ての責任は親にあることは確かです。しかし、教室でのいじめまでは、対処できません。学校の責任、教師の仕事です。けれども、実際には公教育は、その役割を放棄しています。以前、あるケースで、私はじかに教育委員会に対応を迫ったことがありました。その時の委員会の返事は、「私どもは、教育行政一般を取り扱う行政機関に過ぎません。個々の問題は、学校に問い合わせてください」というものでした。素っ気ない応対に、あぜんとしたことを覚えています。
 現在、小学生•中学生の年齢の子どもたちのうち10数万人が不登校になっています。無責任な大人たちの犠牲になっている子どもらの悲痛の叫び声が、聞こえてきます。

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