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平川先生の小論文講座76―近畿大学・医学部(2014年度前期)―

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 【法務省 試験情報の更新】2019/09/10 (火) 16:00
「令和元年司法試験の採点結果」
http://www.moj.go.jp/content/001304529.pdf
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[今回の過去問]
  近畿大学・医学部(2014年度前期)
今後の医療のゆくえ ー混合医療についてー 
            横書きで400字以内にまとめること。40分

【これまでの話】
  末期がん、再生医療、いじめと、社会的に話題となっている問題を取り上げてきました。
  今回は、難病で苦しむ方たちの間で強い関心のある「混合医療」について考えます。

[第76回]

「定義から始める」

A子 「今週も、よろしくお願いします」

平川先生「こちらこそ、よろしく。今回から、近畿大学・医学部の『混合医療』の問題について、
    検討します。A子さん、混合医療とは、何ですか」 
  
               
A子「はい、先生に次回のテーマを伺っていたので、調べてきました。混合医療とは、公的な保
  険の適用を受ける保険診療と,適用を受けない自由診療を併用した診療をいいます。
   これまで保険診療と自由診療を併用することは、原則として禁止されていました。
  自由診療を併用した場合,保険適用を受ける部分も全額自己負担となるとされてきまし
  た。理由は、健康保険の財源は有限であることです。自由診療を受ける経済的な余裕ある
  人には、保険による補助は出す必要がない、との考えによるものでした。
   しかし、現実には経済的余裕のあるなしに関係なく、難病に対して保険対象外の先進医
  療を受けたいという強い要望があること。そして、医療サービスの多様化の要請に応える
  ため、2006年、政府は改正健康保険法において、一定範囲の併用を認めることと、しま
  した」  

平川先生「なるほど、よく調べてきましたね。
     本問は、この医療について、その定義を述べた上で、長所と短所(問題点)を明らか
    にすることが、題意でしょう。では、どのように答案構成(出題に沿って、テーマにつ
    いての定義と目的、問題点等を図や表にして、整理したもの)しますか」
 

A子「まず、混合医療についての言葉の意味を明らかにし、政府がそれまで認めていなかった医療
  をみとめた背景を述べ、その上で、この診療のよい点と課題点を明らかにしようと思いま
  す」

平川先生「ええ、そうですね。そんな感じで、よいと思います。A子さん、かなり慣れてきました
    ね。ポイントをつかむのが、スピーディーになってきましたよ。どうです、医学部•小論
    文を書く上での順番のようなものが、分かってきたんじゃないですか」

A子「はい、小論文を書くまでのマニュアルのようなものが、できました。

  ①まず、出題にマーカーで線を引く、問題点があればブルーのマーカーで。重要事項と思わ
  れる部分には、ピンクのマーカーで線を。
  ②次に、マークしたところから題意を読み取る。
  ③そして、答案構成として、まとめる。
   その際には、定義➡趣旨(目的)➡問題(本問なら、すぐれている点と課題)というよう 
   に、展開する。

  こんな感じで、ほとんどの課題に対応できることが分かりました」

平川先生「 いいですね。後は、今回や前々回の『再生医療』のような専門用語についての理解
    を、この過去問答案作成を通じてまとめ、ストックにしておくことです。年内で6通か
    ら7通作れば、医学部•小論文に必要な項目を押さえることができますね 」

A子「ええ、あと少しで大事な項目は、一通り整理できると思います。先生のご指導のおかげで
  す。ありがとございます」

平川先生「いえいえ、コツコツとこれまでやってきたA子さん自身の努力の成果ですよ。さて、
    前置きはこれくらいにして、最後に答案構成だけでもやっておきましょう」
  
             
A子「はい、分かりました」
〈・・・・・・・10分ほどして。以下が、A子さんの作った答案構成です〉

  
平川先生「うん、簡潔にまとまっています。去年に比べて、随分テキパキとできるようにな
    りましたね。力が付いていますよ。この調子で、合格を勝ち取りましょう」

1,定義 混合医療とは、公的な保険の適用を受ける保険診療と、適用を受けない自由診療とを併用した医療をいう。これまでは、自由診療を併用すると、結果として本診療も全額自己負担とされてきた。しかし、政府は2006年改正健康保険法にて、評価療養(先進医療等)、差額ベッド、時間外診療等の「選定療養」において、保険診療との併用を認めることに方針を変えた。

A子「はい(うれしそうに、ほほえむ)」

平川先生「さて、時間になりました。次回は、答案を完成させましょう。来週もお楽しみに」

【今回のポイント】
「答案作成の手順を作る」
今回のA子さん、昨年の今頃、このゼミに参加しました。ゼミの先輩であるスク男君は今年3月、医学部に合格しました。一方、不合格だったA子さんは当初、かなり自信喪失で落ち込んでいました。しかし、努力家の彼女、コツコツと続けてきたおかげで、医学部•小論文作成のポイントが、分かってきたようです。
 要は、ブルーとピンクのマーカーを使って題意をつかみ、答案構成をして頭を整理する。そして、構成に沿って書くだけです。要領が分かれば、小論文は簡単です。
 夢を、絶対に実現!!

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