受験生に送る言葉

平川先生の小論文講座㉙ ―慶應義塾大学 2005年度―

夢を抱いて、実現する君よ!
本日は、平川先生の小論文講座第29回目をお届けします!

[今回の過去問]
慶應義塾大学 2005年度 50分 600字以内
「諸君はこれから、さまざまな人々に出会うであろうが、弱さを持つヒトとはどのようなヒトであるか、あなたの考えを述べよ。そして、そのようなヒトにあなたが出会った場合、どのように関わっていくか、考えを述べよ」

[第29回]
今回は、前回までの杏林大学医学部の問題(「あなたが考える良い医師とは」について、述べなさい)とは異なり、一見、医学とは関係がなさそうです。
スク男君は、どう題意をつかむのでしょうか。

「題意を読み取る」

平川先生:「さあ、慶應義塾大学の問題をやってみましょう。
出題意図はなんでしょうか。
『弱さを持つヒトとは、どのようなヒトであるか、あなたの考えを述べよ』、という問題です。注目すべきは、人とするところを『ヒト』としています。このあたりから、考えてみましょう」

スク男:「なぜ、人と表現するのを、『ヒト』としているのか。カタカナで表現するのは、哺乳類動物として見ている、すなわち生物の一種として検討する、ということです。
だから、あえて『ヒト』としたのは、まず生き物としての弱さをもつ存在として、
どのようなものなのか、受験生の考えを聞きたいのだと思います」

平川先生:「そうだね。まず、抽象的・一般的に見て『ヒト』の弱さを尋ねている、ということだね。
生物として観察した場合、どのような弱さを持った存在かどうか、を聞いている」

スク男:「はい、その上で、『諸君はこれから、さまざまな人々に出会うであろう』とあることから、個別的・具体的にも、弱さを持った人について尋ねていると、考えます」

平川先生:「なるほど。では、まず、生き物としての弱さを持つ『ヒト』について、考えてみよう」

スク男:「弱さについては、精神的な面と肉体的な面が考えられます。精神的に弱い者とは、意思が弱い者、そのため精神的な疾患にかかりやすいといえます。
また、肉体的な弱さを持つ者は、病気になりやすい存在だ、という点が考察できます。
弱さは、さらに成長の段階ごとでも、異なります。幼い時には、精神的な面、肉体的な面の両面がひ弱な存在です。
青年期には育って、『ヒト』としての成熟期を迎えます。精神的、肉体的に弱さの程度が、一番低い段階です。
老年期には再び、もろくなります。どんなに精神と身体が強かった者でも衰えます。弱さの程度が強まります。
以上から、『弱さを持つヒト』とは、結局、すべての『ヒト』に当てはまる、と思います」

平川先生:「では、個別的・具体的に見た場合は、どうだい」

スク男:「誰もが悩みを持っています。問題を抱えています。何も問題のないことのほうが、不思議なくらいです。ですから、大なり小なり、誰もが弱い存在といえます」

平川先生:「そうですね、すべての『ヒト』が、弱さを持つ存在です。だからこそ、他者の生命、生き方を尊重すべきだ、という考え方が、導き出されますね」

スク男:「なるほど、要するに、『ヒト』は、生物として抽象的・一般的に考察しても、個別的・具体的な人としても、誰もが、ひ弱な存在であることを医療は、忘れてはならない、ということですね。
そうか、医師をめざす者は,この点に留意すべきだ。分かりました。弱さは自分にもある。だから、弱者の視点を忘れるな、以上が本問の題意ですね」

平川先生:「そうです。その通りです。弱い者とは、つまり医師である自分自身でもある。だから、常に弱者の視点に立つことを心がける、ということだね。
スク男君との議論も4回目を迎えました。君も物事を1つ1つ押さえて、論理的に考察し、結論を導くことができるようになってきたね」

スク男:「ありがとうございます」

平川先生:「さて、題意をつかむとともに、大まかに書くべき事柄が見えてきました。次回は、答案構成を、もう少し突っ込んでやりましょう。お楽しみに」

【合格する小論文のヒント】

「題意をつかむためには、設問文の言葉を大事にする」

設問文には、出題者の意図が隠れています。題意は、設問の文章の言葉から読み取る。これができれば、小論文は8割方出来上がりです。

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