受験生に送る言葉

平川先生の小論文講座㉟―慶應義塾大学・医学部2008年度―

夢を抱いて、実現する君よ!今日は、平川先生の小論文講座35をお届けします!
[今回の過去問]
慶應義塾大学・医学部2008年度 50分 字数制限不明
「親友と最近連絡が取れません。どうやら、親友はひどく落ち込んでいるようです。何度か連絡を試みた結果、ようやく明日親友と会って話すことになりました。そこでは、どのようなやりとりが2人の間で繰り広げられるでしょう。2人のやりとりを対話形式で解答用紙のA欄に、そしてそのやりとりの中であなたが意図したことをB欄に述べなさい」

[第35回]
前回、スク男君は本問の答案を書き上げました。医学部・入試まで、後2ヶ月を切りました。
さらに、合格の力を確実にするために、今回は、不十分な点を書き直します。

「合格する力を確実なものに」

▼平川先生「一応の答案はできました。
     今回は、来年の医学部・小論文の合格を確実にするためには、どこをど
     う書き改めればよいのか、検討しましょう。
     まず、前回、あなたが書いた答案を見てみましょう」
スク男「はい。分かりました」

(以下が、スク男君が先週書いた答案です)

A欄
私  「どうしてたんだい。心配したぜ」
親友 「わるかった。実は、親父が倒れて、大学受験どころじゃなかったんだ」
私  「親父さんの様子は」
親友 「ああ。今は、落ち着いついているよ。でも、しばらく入院するので、経済的に
大変なんだ。それなのに、医学部に行きたいなんて。申し訳なくて」

私  「そうか、つらいな」
親友 「ああ、……」
私  「ハッキリ言うぞ。俺は、親父さんも、進学を望んでいと思う。どう決めるかは
 お前次第だ。でも、苦しくてもやり抜いて、医学部に合格すること、
それが、親父さんへの一番の孝行だと思う。一緒に進もうぜ。俺が言いたいのは
それだけだ」

親友 「ああ、……。ありがとう」
(278字)
B欄

私が意図したことは、進学に悩む友達を助けることだ。
ここで逃げてはいけないと思う。今、逃げたら、いずれ別の苦難を回避することになる。それが分かっていて、何も言わないのは親友ではない。
医学部入試に立ち向かい、合格することは、自分自身が医師になった時、病に悩む患者を、救うことに通じる。父親も、息子の頑張る姿を見て、勇気付けられる。病気治療にも、役立つだろう。
もっとも、友人の気持ちにも配慮して、言い方には気をつけた。
困難に遭っても、逃げずに、一生懸命に対処すれば、直面している現実の方がやさしくなってくれる。友人は医者として、命がけで病に悩む人を助けるに違いない。本人も合格し、お父さんの病気も、治る可能性が出てくるだろうと考えた。(312字)
(A、B欄合計590字)

▼平川先生「慶應義塾大学・医学部の今回の出題の狙いは、現代の医療において、
     インフォームド・コンセントが重要であること。
     すなわち、治療に当たっては、患者の意思を尊重し、同意の下に進め
     ることが不可欠です。
     そこで、受験生にも単なる記憶中心の勉強ではなく、相手の状況を,
     まず正確に把握する分析力があるか、その上で、解決方法を提示する
     という思考力があり、相手を説得するコミュニケーション能力がある
     かどうかを聞いています。
     この点から、あなたの答案を見ると、親友とのやり取りで、状況を把
     握する点は、よくできています。
     ただ、1点、気になることがあります。何だと思いますか」

スク男「さあ、見当が付きません。自分なりに,親身になって友人の気持ちを尊重
    し、話しを進めていたと思ったのですが」

平川先生「気になったのは、後半のやり取り。結論を急ぎすぎでは(アンダーライ
     ンの部分)ということです。
     字数が限られているので,話しの展開上、しかたがない面も否定できな
     いのですが。
     相手に考えさせるような話しの持って行き方もあるのでは、と私は思い
     ます」

スク男「なるほど、いきなり決めつけは,親友にとっては、きついですね。
    問いかけのような形で終わるべきだったかもしれません。少し直します」

平川先生「先ほど言った出題趣旨から考えると、親友との会話において、どんなや
     り取りをするのか、大事ですね。
     全体的に、会話の部分をもう少し詳しくして、意図したことは短くした
     ほうがいいと思います」

スク男「インフォームド・コンセントを意識した問題であるなら、会話をもう
     少し書いて、その上でコンパクトに後半部分を書くべきでした」

平川先生「では、親友との部分を詳しくして、会話の狙いを短くしたものを次回
     までに書いてきてください。来週は、その答案の検討をしましょう」

スク男「はい、分かりました。今日は、ありがとうございました。
    来週もよろしくお願いします」

【合格する小論文のヒント】

「復習は、しっかりと」
過去問は、合格のための情報の宝庫です。大学・医学部が、何を  受験生に求め、どのように書けば合格になるか、しっかりと復習をすることで、見えてきます。
「1度書いたから、もういいや」としないように。

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