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平川先生の小論文講座71―日本医科大学2016年度―

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[今回の過去問]
日本医科大学2016年度 目標60分

再生医療が注目を集めている。下の写真は、ネズミの背中で再生したヒトの耳である。再生医療について思うことを600字以内で述べなさい。
(原文には、「背中にヒトの耳を再生したネズミ」の写真が図示されています。編集の都合により、省略しました)

【これまでの話】
今回から、最近ニュースでも、よく伝えられている再生医療を扱った日本医科大学の問題を検討します。

[第71回]

「まず、定義から」

A子 「今週も、よろしくお願いします」

平川先生「こちらこそ、よろしくお願いします。
    さて、まず始めに、A子さんにお聞きします。そもそも『再生医療』とは、何ですか」
     
A子「えーと、再生ということから、患者自らの細胞を再生して、病んだ部分を治癒する治療方法
だと思います」

平川先生「そうですね。『再生医療』という言葉から、ご自分で、考えたものですね。それで、
結構です。この用語の定義を覚えている受験生はいません。医学部に入ってもいないの
に、学部生にも難しい問題を、受験生が勉強している暇はありません。 出題者も、知識
    的なことを聴きたいわけではありません。しかし、そうだからといって出されている用
語の定義が明らかでなければ、設問の狙いが分かりません。試験場で考えられるように
    日頃から思考する勉強をしているかを、尋ねているのです。
ところで、問題文は、『再生医療について思うこと』とあるだけです。どう答案を構
成すればよいでしょう」
 

A子「まず、患者自らの細胞を活用して治療するということから、再生医療の優れ ている点を述
  べ、そして欠点・問題点を検討し、最後に課題という順に述べればよいと思います」

平川先生「ええ、そんな感じでしょうね。では、再生医療の優れている点とは、なんでしょう」 

A子「それは、なんといっても自己の細胞を利用するということです。臓器移植のような、提供に
ふさわしい相手を待つ必要はないことです。特に、年間数千件のアメリカ、10万件を超える
中国と比べて臓器移植がなかなか増えない日本における現状では、最も期待される、これか
らの治療法だと、思います」
 
平川先生「ええ、そうです。臓器移植は、あくまで提供者の『死』が、前提です。それに比べて、
患者自身の細胞を使って対処する方法は、将来的には、日本国内ばかりでなく、海外で
     も広く普及することが予想されますね。経済的にも大きな発展が見込める分野です。
2014年政府は、iPS細胞の研究を中心として、再生医療で世界をリードしようと、まず整
形外科の分野で、骨折や軟骨の治療などを進めています。もともと、整形外科では、人
工関節や骨の移植などによって機能を取り戻す、再生・再建のための療法が行われてき
ました。そうした療治に、近年、再生医療による新たな治療法が加わり、根治に向けて
さらに期待が高まっています。
 例えば、自分の血液を使ったこの療法では、筋肉、靭帯、腱などの損傷、関節の炎症
    や 痛みを改善する研究が進んでいます。
スポーツ選手は、筋肉や靭帯損傷などのケガや使いすぎによる故障から早く復帰でき
るかどうかが、選手生命を左右します。そこで、選手への負担が少なく、ケガが治るス
ピードを速める療法として注目されています。自分の血液中に含まれる血小板の働きを
    利用したPRP(多血小板血漿)という治療法もあります。
細胞移植による再生医療として骨、軟骨などの再生を目指す研究も大学病院などの機
    関で、始まっています」

A子「えっ(驚いた様子)、もう実際に治療法として活用されているんですか。それも、日本が世
  界をリードしているなんて、全然知りませんでした」

平川先生「まあ、いくら私が、医学部・小論文試験で、細かな知識は聞かれないといっても、社
会人として、常識的な認識だけは、持っておきましょう。しかし、この治療法には問題
点もあります。何でしょう」

A子「問題点て、なんだろう。再生医療は、これまでの治療法と比べて、とても将来性があり、
期待できるように思えるんですが」

平川先生「そうです。なるほど、一見すると問題はないように思われます。でも、よく考える
と、根本的な課題があるんです。分かりますか」

A子「なんでしょう。ちょっと、分かりません」

平川先生「それは、第1に、自身の細胞を使うということで、例えば患者がガンだった場合、再生
細胞を使ったとしても、もともと病気になりやすい遺伝子があり、体質的に発病しやす
いことです。そこで、いくら病人自身の細胞を使ったとしても、それ自体に問題がるの
で、再発する可能性が高い、ということです」

A子「あ、そうか。病気になりやすい体質は、変わっていませんね」

平川先生「ええ、また、第2に、人の受精卵を使う場合もあるので、人そのもののあり方まで変え
ることにつながるのではという、倫理的な問題も残っています」

A子「うーん、結構、難しそう。どうやって『考えること』をまとめようかしら」

平川先生「いきなり、うまく書こうとせず、ここはじっくり答案構成をして頭の整理をしましょ
う」

A子「はい、分かりました」

平川先生「さあ、今日もそろそろ時間となりました。これぐらいにしましょう」

A子「はい、来週も、よろしくお願いします」

平川先生「こちらこそ、よろしくお願いします」

【今回のポイント】
「明日の医療のあり方を考える」
再生医療については普通、誰も高度な知識は持っていません。大学医学部も、そんな専門性を受験生に要求してはいません。考える力のある人を求めているのです。
基本から出発し、論理的思考力を鍛えておきましょう。
本文でいえば、『再生医療』の詳しいことは知らなくても、この機会に考え、問題点を整理しておくことが、入試対策になります。
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