受験生に送る言葉

平川先生の小論文講座59―奈良県立医科大学(医学部医学科)2008年度―

[今回の過去問]
奈良県立医科大学(医学部医学科)2008年度 目標60分

次の文章を読んで、医療の不確実性についての患者と医師の間における認識の差が
どのような問題を引き起こしていると考えられるか、600字以内で述べよ。

※参考文は、著作権の関係で省略します。

[第59回]

「答案構成で、書くべきことを整理する」

A子 「今日もよろしくお願いします」

 

平川先生「こちらこそ、お願いします。では、奈良県立医科大学(医学部医学科)の2008年度の
過去問の答案構成について検討しましょう。さて、A子さん、患者と医師の考えの違いに
ついて、項目としてはどんなことが挙げられますか」

A子「まず、先生が前回ご指摘された①現代医療に対してどう考えるのか、次に②正しい治療とは
どういうものか、そして、最後に③として医療過誤をどうとらえるのか、という3点につい
て差異があると、考えます」

平川先生「はい、それでよいでしょう。その上で、患者の側の認識、医師の側の理解を対比し
てみましょう」

A子「分かりました。①現代医療に対して、患者は、『現代医学は万能で、あらゆる病気はたち
どころに発見され、適切な治療を受ければ、まず死ぬことはない』と考えています。
そこから、②正しい医療とは、『リスクを伴ってはならず、100パーセント安全が保障さ
れ』てある。そのため、③医療過誤については、『医師や看護師はたとえ苛酷な労働条件の
もとでも、過ちがあってはならない。医療過誤は、人員配置やシステムの問題ではなく、あ
くまで(医師個人の)善悪の問題』と捉えています」

平川先生「そうですね。患者の側は、病に苦しむ当事者ということから、自己の願望を『現実の
ものとしたい』という傾向がありますね。次に、医師の方は、どう考えていますか」

A子「えーと、医師の場合、自らが医療行為に当たっていることから、冷静に把握しています。
まず、①医学には限界がある。なぜなら、『人間の体は非常に複雑なものであり、人によっ
て差も大きい。医学は常に発展途上のものであり、変化しつづけているから』です。また、
医療行為は、『生体に対する侵襲(身体へのダメージ)を伴うため、基本的に危険であるも
のだ』と理解しています。
以上から、②『医療行為は不確実』である。正しい医療は、ありえない。したがって、③
医療過誤は、善悪の問題ではなく、すべての医療関係者に避けられない事柄だ、と考えてい
ます」

平川先生「なるほど、両者の相違点がよく対比されていると思います。それでは、これらの違い
から、どんな問題が生じているでしょうか」

A子「患者は、現代医療を万能と思っています。そのため、難病になるほど治療に不安を持つよう

になります」

平川先生「そして、少しでも、担当する医師について不信感を持つと、他の『名医』と呼ばれる
医者に頼るようになりますね。その結果、1部の医療機関に患者が集中する現象が起き
ます。地方にその傾向が強いようです。東北などの地域では、1部病院への患者の集中
が起り、すでにいくつかの医療機関が倒産に追い込まれたとの話しもあります。また、
患者のクレームにより、医学生が医療過誤による責任を恐れて、特定の診療科において
志望する者が減っているという状況もあるそうです。特に、女性同士の噂話しが大きな
要因のようですが、産婦人科を志望する学生が一時激減しました。患者の無理解が原因
です。しかし、それを招いている要因は、医師を初めとする医療関係者の治療に対する
説明不足があります」

A子「このままでは、医療崩壊にもつながりかねませんね。地域医療の対策としてあげるべき問
題でもあると、思います。医療というのは、本当に難しい分野なんですね。単に医学的な研
鑽を積んでいればすむというものではないと、感じました。むしろ人との関係が大事です。
患者さんにどう向き合うかが、大きな要素ですね」

平川先生「ええ、奈良医科大学(医学部医学科)も、その点の問題意識を受験生に尋ねていま
す」

A子 「ところで、今日まで先生の指導で国公立大学・医学部の小論文を取り組んでみて思った
ことがあります。
それは、先生が、おっしゃっているように、一見すると難しいことを聞いているようで
すが、設問文を追っていくと、課題文をまとめて、そこから導かれる見解を述べるだけだ
ということです。岡山大学の『ドクター・コールの問題』、千葉大学の『医学の特殊性を
聞く問題』、そして今回の奈良県立医科大学、テーマこそ違いますが、全部同じですね」

平川先生「そうですね。A子さん、いいところに気付きましたね。ちょっと見ると難解な文章の
ようですが、実は大したことはない、ということです。ポイントは、いかに文の内容を
筋道立って捉えるか、つまり答案構成が合格の鍵です。今から訓練しておけば、大丈夫で
す」

A子「はい」(元気よく返事をし、にっこりと微笑む)

平川先生「さて、今日の議論で、かなり書くべき点が整理されました。そろそろ時間です。
A子さん、来週は、今日の討議を基に答案構成を作り上げ、小論文を完成させましょ
う」

A子「はい、分かりました」

平川先生「来週もお楽しみに」

【合格する小論文のヒント】
「相手の目線に立って、考える」

今回の奈良医科大学(医学部医学科)の問題は、「患者と医師の間における認識の差が、どのような問題を引き起こしていると考えられるか」と、見解の是非ではなく、設問から予想される問題点を聞くという、これまでにない形式でした。
しかし、よく読んでみれば、問題点は見えてきます。出題者の目線に立って、丁寧に考えれば、何をどう書くかは明らかになります。「どう書いたらいいだろう」と焦る必要はありません。1つ1つ確実にやればいいだけです。

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