中国人ピアニスト・郎朗(ランラン)さん。27歳。北京五輪の開会式で演奏するという栄えある大役を見事にこなし、米誌「タイム」の「世界で最も影響力のある百人」にも選ばれた。今年、開催される上海万博の親善大使も務める。若くして、「最も成功した中国人の1人」「クラシック音楽界で最高にホットなアーティスト」と賞賛されているが、その道のりは決して平坦なものではなかった。「練習しろ」としか言わない父親のスパルタ教育に耐え、地元・瀋陽で10歳未満対象のコンクールで優勝したのが、5歳のとき。「天才少年」の名を欲しいままにしたが、中国の最高峰「中央音楽学院」への入試準備のため、父子で首都・北京へ来てからは困難と挫折の連続だ。コネとカネがないせいか、講師からは「才能がない。もう来なくていい」と一方的に告げられ、息子にすべてを託して警察官の職まで捨てていた父親は絶望し、郎朗に心中を迫る。いつも父の指示に従い、ときに1日10時間にもなる練習も厭わなかったが、死んでしまう自分のイメージに激しく恐れを抱いた。両手を折らんばかりにアパートの壁に打ち付けて、「もうイヤだ。ピアノなんてやめる」と、生まれて初めて父に反抗した。郎朗、8歳。死を決意していた父親も、息子がピアニストの命である両手を自ら潰そうとする姿には耐えられなかったのだろう。幼い郎朗の生きるエネルギーによって、心中は回避されたのだ。
とはいえ、講師からは否定され、父親を許すこともできないまま、ピアノから遠ざかる日々が無為に続く。そんな郎朗を勇気づけてくれたのが、地元の小学生たち。ボランティアで伴奏をしていた合唱団のメンバーだ。失意から顔を見せなくなった彼に、「代わりの人じゃダメ。やっぱり郎朗じゃなきゃダメ。ピアノ、弾いてよ」と声を掛けに来てくれたのだ。
「父にやらさせていたんじゃない。僕はピアノが好きなんだ。好きだから、自分のために弾く。求めてくれるみんなのために弾く」と目覚めた郎朗は、別の講師を見つけて、再び入試の準備に励み、受験生3,000人のうち12人しか合格しない中央音楽学院にトップ入学した。
「好きだから、やる」。この気持ちに気づけるかどうか。この力を呼び覚ますことができるかどうか。合否の境目はこの1点にあると、わしは常々、感じています。
【合格方法一本勝負】
Q:恩地三郎さんの「99歳までは助走」、凄過ぎます。 29歳の私は、あと70年!(弁護士志望・東京都Kさん)
A:わしも、まだまだ助走中!
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