Wセミナー・マスコミの出身で、現在は新聞記者をやっている45歳の男性と話をしていたときのこと。紙面を飛び交う「常套句(決まり文句)」、英語でいえば「セット・エクスプレッション」のことが話題になった。最近、常套句の使い方があまりにも安易で、2人とも大いに不満だったのだ。
わしが特に気になるのは、この2つ!
(1)“政策通”
「この大臣は、政策通です」などと言われるが、政策に通じていない人が大臣になって、どうする!
(2)“演技派”
「この男優(女優)は、演技派」などと評されるが、演技をするのが役者ではないのか!
わしも若い頃、記者をやっていただけに、「ホントに困ったことだ」と2人で嘆き合っていたのだが、1人になってから、ふと、こんな考えが頭をよぎった。
「もしかしたら、常套句を、反語的な意味合いで使っている記者が、なかにはいるかもしれない」。
たとえば、“政策通”の場合、「政治家は当選すること、党内での地位を固めることに忙しくて、政策について十分に勉強する時間はない。あるいは、ハナからその気もない。実際に政策に通じているのは、官僚だけである」という事態を、反語的に指す。
あるいは、“演技派”の場合、「演技の基本となる模倣を支えるもの、それらしさを示すモデルは、現代には存在しない。あるいは、見えにくくなっている。『スーツを着ていれば、サラリーマン』といったわかりやすさは、もうどこにもないのだ。だから、役者は、演技の新しいかたちを求められている」という事態を、反語的に指す。
ここまで考えて常套句を使っているとしたら、それはそれで有効なのではないか。ステレオ・タイプのなかにも新たな息吹があるのかもしれないと、不肖・成川、思い至った次第です。
<人生一本勝負!>
Q:勉強が乗ってくると、ついつい予定時間をオーバーして、寝るのが遅くなります。あえて、打ち切ったほうがよいのでしょうか?(弁護士志望/東京都Yさん)
A:明日に支障が出るようなら、はやる気持ちを抑えて寝ろ!