現在の日本では、教育が国家的な課題となっており、民間レベルでも関心が非常に高い。中でも、小学校から大学、さらには職場など社会のあらゆる現場において、教える側の人間、つまり「先生」の資質や能力が改めて問い直され、生徒に学力をつける以前の問題として、先生の力を向上させるための様々な取り組みが行われている。
入学試験や資格試験の受験生にとっても、先生の質は大切だ。試験の合否は基本的に受験生の自己責任だが、良い先生に巡り会えば、合格率は格段にアップする。逆に、悪い先生にあたった日には、合格率はもちろん、学習そのものへの意欲さえ大きく減退してしまう。先生という存在は、直接・間接に、良かれ悪しかれ、生徒や受験生に多大な影響を与えるのである。
では、優れた先生を生み出すためには、どうすればよいか? わしの答えは、いたって簡単だ。
「先生の報酬を、半分は固定給に、もう半分は変動給にする」。
教える側の人間にとって最も大切なことは、「1日1日に対する緊張感をもって、生徒や受験生のために体を張ること」だと、わしは考えている。先生が安穏とし始めたら、教育現場はすぐに堕落して、荒廃へと向かう。だから、先生の質を維持・向上させるための方策としては、先生という立場に、一定の保護を与えながら、その反面、人間として生きる上で避けることのできない不安定な要素を、制度的に導入する必要があるのだ。
現代の日本で先生に求められているのは、専門的な知識やノウハウ以上に、たくましく生きていくための「人間力」なのである。
<人生一本勝負!>
Q:この夏の参院選の結果を、先生はどのように見ておられますか?(弁護士志望/男性29歳)
A:「国民の生活」と「政治」の距離が、これまでになく接近したと思っている。