わしがたまに行っていたイタリア料理店のオーナーシェフは、元気ハツラツの58歳。3つ年下の奥さんと2人で、こじんまりとした雰囲気のいい店をやっていた。東京で事業を成功させても、「自分のルーツは、郷里・高知にある」と、毎週土曜日には飛行機に乗って、里帰り。「新鮮な空気と、素朴な食べ物と、初心を育んだ故郷を大切にすることが、健康の秘訣です」と言っていた。定期の健康診断ではいつも、「異常なし」のオールAの成績だったのだ。
ところが、ある日突然、何の前触れもなしに、心臓の不調で亡くなってしまった。原因として考えられるのは、「気圧変化に伴うストレス」である。年52週として、往復104回の搭乗だ。飛行機の利用過多によって、目に見えない負担が長年にわたって蓄積されていたのだ。
海外出張が多いビジネスパーソンにも、同様の死因がよく見られるという。医学的には死因と特定しにくいが、それ以外は考えられないというケースが多々あるのだ。
「55歳を過ぎたら、飛行機の利用は控えめに」。
これも、文明社会に生きる現代人の知恵の1つである。
<人生一本勝負!>
Q:現行のロースクール制度に対する先生の考え方、非常に参考になりました。いい意味で、「関係ない!」と開き直って、来年度の入学を目指します。(弁護士志望/千葉県Sさん)
A:目指すものがあるなら、前に進むだけ!