昨日、「ロースクール修了者の7割を合格させることの是非」について宿題を出しておいたが、考えはまとまっただろうか? 正解を出すことは難しいが、一個人としてある結論を選択することはできる。わしの結論は次の通り。
(1)たとえ、制度的に7割が合格としても、受験生は、「合格できるのは1割だけ」、つまり「10倍の競争率」と思って勉強し、試験に臨まなければならない。なぜなら、そのくらいの謙虚な危機感があって、ちょうどいいからである。合格率の高さに安心しているようでは、真摯な受験生活など送れるはずがない。ヘタをすると、資格をお金で買うような姿勢に堕してしまう。自らリスクを背負いながら、ギリギリの努力ができなければ、他人の人生を左右しかねない法曹という職業に就く資格はないのだ。いやしくも、専門家を目指すのであれば、「10人に1人」程度の能力があって当然と思え!合格率が20%でも50%でも、そう思え!
(2)めでたく有資格者となっても、話はそこで終わりではない。いい仕事をしたいと思うのなら、さらなる努力が求められるのだ。たとえば弁護士の場合、わしの実感からすると、プロとして一定のレベルに達しているのは、あまり多くないのか。
<人生一本勝負!>
Q:社会的に差別がはびこり、その不条理が多数によって認知されていたような時代、黒人の大統領が生まれるなんて、誰も想像しなかったでしょう。アメリカの強さを見た思いです。日本では、考えにくいですよね?(司法書士志望/東京都Tさん)
A:移民を建国の礎とするアメリカには、「多様性のダイナミズム」がたしかにある。問題点も多々生じるが、それを克服しようとするエネルギーもまた蓄積されていくのだ!