最近、冷凍ギョーザなどの食品問題で、イメージが非常に悪くなっている中国だが、日本に来ている若い中国人には働き者が多い。これは、わしの個人的な意見にとどまらず、知り合いの経営者やビジネス・パーソンからも同様の声が多々聞かれている。たしかな事実なのだ。
中国の若者のすぐれた点を一言でいうなら、「勤勉さ」に尽きるだろう。勉強や仕事での1つひとつの動作が速く、見ていて気持ちがいいほどメリハリがきいている。日本ではいつの間にか週休2日があたりまえになってしまったが、中国の若い人たちは休みたがらない。「休養のためには、週に1日もあれば十分」と考えている。まさに、“合格・成功のゴッドファーザー”に好まれる毎日を送っているのだ。
かつての日本で見られた「勤勉さ」という美徳は、いまや中国という外国によって表現されている。寂しい話ではないか。ゆとり教育がどうの、格差社会がどうしたという大枠の議論も結構だが、国民1人ひとりが、自分の持ち場で一生懸命にやるという基本が、おざなりにされている。わしはそう感じます。
<人生一本勝負!>
Q:最新鋭のレーダーを装備していても、民間の漁船ひとつ避けられない。最後の最後は、人間力の勝負ということでしょうか?(司法書士志望/札幌市Gさん)
A:テクノロジーの発展ほど、人間は発展していない。これからますます、そのギャップは大きくなっていく。それに比例して、基本動作の重要性が高まっていくと思う。