ちょっと前に、こんな質問をしたのを憶えているだろうか。
「社員教育をする場合、レベルが中の人を、上にしようとしてはいけない。下の人を、中にしようとしてもいけない。なぜか?」。
超大手企業の経営者と話をしていたときに、その方から教えていただいた極意である。
普通は、「レベルが低い人を、少しでもアップさせていくのが、社員教育の目的」と考えられている。ところが、これが大きな間違いの元なのだ。なぜなら、どのような業種でも、各人の仕事の能力には厳然たる格差があって、上・中・下の階層は、一足飛びに越えられるものではないからである。少なくとも、10年単位で取り組むべきことなのだ。また、人には器(キャパシティー)というものがあり、これを無視して事を進めても、好結果は期待できない。無理に詰め込み過ぎると、逆に、その人が本来持っている良さまで壊してしまうおそれがあるのだ。
つまり、社員教育を行う場合の正解は、次のようになる。
「レベルが中の人には、中の上の目標を与える。レベルが下の人には、下の上をまず達成させる」。
中の人が上を目指すのは、中の上の仕事をコンスタントにできるようになってからでいい。多くの場合、それさえも覚束ないのが現実なのだ。その経営者の方は、そう教えてくださった。
わしは、「なるほどなあ!」と感心して、70歳近くになってようやく、これまで何度も何度も裏切られてきた理由がわかりました。わしはついつい、「中の人を上に!」「下の人も上に!」「やってやれないことはない!」と先走り過ぎていたのだ。
これからは、ムダになりがちな性急なアプローチは止めて、1人ひとりの力量を冷静に見極めたいと思います。
<人生一本勝負!>
Q:現行司法試験で行きます!生まれて初めて、前向きにリスクを背負う気分です。(東京都Oさん/男性21歳)
A:緊張感にあふれた、いい気分だろ?健闘を祈る!全力で応援する!!