正月休みに受験相談にきた、54歳の男性Sさんの身に起きた実話である。Aさんは、あるIT関連企業に中途採用で入社し、10年間、働きに働いた。40歳を過ぎての転職だったため、「もう後がない!」と本人は必死だったのだ。その甲斐あって、仕事の成績は良く、業績アップにつながるヒットをいくつも飛ばした。肩書こそ係長止まりだったが、給与もそこそこは満足できる程度に上がって、社内での評価も、取引先からの評判も上々。2歳年上の社長からは、「これからも期待しています。いつまでもウチで働いてくださいね」と、親しく声をかけられるようになっていた。
ところが、である。昨年の暮れ、忘年会の2次会で、社長、専務、Aさん、そしてAさんの部下であるB君(28歳)と、4人で飲んでいたときのこと。社長が突然、次のように切り出した。
「Aさん、今度の春から、B君の下についてください」。
Aさんは最初、冗談かと思ったが、社長はその後、黙って杯を重ねるだけ。専務からは何のフォローもなく、B君も無言のままだったが、その2人は事前に話を知っていた様子で、Aさんがどのように返答するのか、物陰から覗くような表情を浮かべていたという。
わしは、Aさん本人から、この話を聞いた。この会社で何があったのか、詳しく知ることはできないが、おそらくAさんはがんばり過ぎたのだと思う。頭の回転が速く、長時間勤務も厭わない馬力を持つAさんは、同世代の社長や専務、それに生え抜きの社員たちの反感を買ってしまったのではないか。彼の人柄に触れたわしは、そう思う。
人間は悲しい生き物で、仕事ができる人の力を素直に認めることができない。仕事ができない人ほど、できる人の足を引っ張りたがるものなのだ。
<人生一本勝負!>
Q:正月休みに、食べ過ぎました。頭の回転が鈍くなっているような気がします。減量したほうがいいでしょうか?(司法書士志望/男性27歳)
A:食事を適量に戻せば、減量の必要はない。余分なエネルギーは、勉強で燃やせ!