弁護士を目指しているロースクール生から聞いた話。彼のお父さんはＩＴ関連企業の部長さんだったが、上司の取締役から、「2人で独立しよう。勝負するなら、今しかない」と持ちかけられて、脱サラした。ところが、「あとのことをキチッとしてから辞める」と言っていた上司が、いつまで経っても辞める気配がない。そうこうするうちに半年が過ぎてしまい、痺れを切らしたお父さん、会社近くの喫茶店に上司を呼び出して決断を迫ったのだが、返って来たのは、「すまん、オレは止めた。できない」のひとこと。土壇場に来て、ビビってしまったわけだ。
梯子を外された格好のお父さん、失業保険も切れてしまい、とにかく職を探さねばと走り回ったが、それなりのキャリアがあっても55歳という年齢では、ビルの管理人、守衛や掃除夫といった仕事しかない。困り果てて、わしのところに相談に来たわけだが、独立独歩の気概もすっかり失せてしまい、まるで元気がない。そこで、わしはこう言いました。「これまでは、いわば虚構の人生。だから、そんないい加減なやつが、上司にいたんだ。これから始まるのが、本物の人生。考えて、工夫して、自らの生活を自らの体1つで作り上げていけばいい。死ぬ前に虚構から抜け出せて、本当に良かったではないですか！」。
お父さん、「初心」を思い出したように、明るい顔で帰って行きました。
なお、本日午前4時更新の「新司法試験ブログ」は、新司法試験の受験生以外の方々にも参考になるので、是非ご覧いただきたい。
【合格一本勝負】
Ｑ：上京して5年目。贅沢はいいません。まともな食べ物を食べたい。（ロースクール志望・東京都Ｔさん）
Ａ：その気持ち、よくわかる！
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