大手商事会社で取締役をしている知り合いが、定期券を失くした。東京・小田急電鉄の経堂から都心に通勤しているのだが、「おそらく、新宿だろう」と見当をつけて、小田急とＪＲの駅事務所に問い合わせてみたが、届出はないという。まだ3ヵ月分ほど残っていたので、「くそーっ」と思いながらもあきらめていたところ、3日後にＪＲのほうから連絡があった。見つかったので、小田急経堂駅のほうへ送ったという。「ありがたい！」と喜びつつも、「なぜ、今頃？」と不思議に思って訊いてみたら、遺失物センターを経由する過程で2日を費やしたとのこと。自分で落としておいて何だが、そこは取締役、「時間がかかりすぎないか？」「もっと、ユーザーの身にならなければ」と改めて感じ入り、拾ってくれた方にお礼がしたいので、どうすれば連絡が取れるか重ねて訊いてみたら、ＪＲ新宿駅のトイレ掃除のおばちゃん。毎日、会えるという。そこで翌日早々に、封筒にきれいな千円札2枚を入れて、お礼に出向いたのだが、おばちゃん、あたりまえのことをしただけ、と頑として受け取らない。感激した取締役はすぐにデパ地下へ走り、3,000円相当のお菓子を買って、今度は無理やり受け取ってもらったそうだ。
「都心も、そう捨てたもんじゃない」と数日、気分が良かったそうです。
【合格一本勝負】
Ｑ：国の発表は、信じられない。戦時や大災害時には、特に！（ロースクール志望・札幌市Ｋさん）
Ａ：今も、昔も。
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