受験生に送る言葉

ひとりでは、何も出来ない!!


 夢を抱いて、実現する君よ!司法試験、予備試験を中心に、様々な国家資格の受験指導を40余年にわたって続けて来たが、今も昔も、情けないというか味気ない思いをすることがある。それは、目標とした試験に合格した途端、「自分は偉い、すごい、他の人とは違う!」と錯覚する人が結構いるという事実である。
 わしとしても、合格者を1人でも多く輩出することに協力出来たのは嬉しく思う。しかし、勘違いで有頂天になって天狗になっている合格者を見ると、「これで良かったのかな・・・」と心配になる。法曹資格は、国民の生命や財産といった重要な事柄に大きく関わる。1度のテストに、「とにかく受かればいい」といったものでもないだろう。受かり方も大事だし、受かった後はもっともっと大事。「自分は偉い!」と浮かれる余地などないはずなのだが・・・。
 まず、自分1人の力だけで合格出来る人は、1人もいない。予備校の講師、スタッフ、それに家族や知人などから有形無形のサポートを数限りなく受けている。受験は「孤高の戦い」であるが、実質的には共同作業である。それを忘れるとは・・・浅はか。
 次に、受かった後の実務も、1人では何も出来ない。「自分は偉い!」と勘違いしたままだと、仕事にならないのだ。その点に思いが至らないとは・・・やはり浅はか。そもそも、試験に受かっただけでは、何も始まっていないのだ。専門家の卵として認められただけのこと。卵ですぞ、ヒヨッコですらない。合格はもちろん喜ばしいことであるが、本当の目標はもっと遠くにあるはず。
▼夢を抱いて、実現する君よ! 感謝と謙虚の気持ちで、夢を絶対実現!!
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