夢を抱いて、実現する君よ！　わしは仕事柄、出版社やライターの人たちとの付き合いが多いのだが、誰に聞いても、「激動の時代」だと言う。今に始まったことではない、以前からその兆候はあった、とは言え、事実、それも安易に見過ごすことのできない事実として、日本人は段々と本を読まなくなっている。比較的、元気が良いのは、マンガや主婦向けの料理レシピや片付け・収納といったノウハウ本。言ってみれば、身近な娯楽と実用に収斂しているのだ。小説などにしても、何よりも「読みやすさ」が重視されるという。読み応えのある本、すぐには飲み込めなかったり、考え込んでしまったり、場合によっては自分で調べ物をする必要があるような本は、敬遠される。だから、専門性の強い良書などは、苦戦を強いられる。わしが若かった頃は、（まあ、半分はカッコつけの意味もあったのだろうが）自分の仕事に関係ない専門書や哲学書にも手を出していたものだ。現在は、それがない。とにかく、分かりやすくなければいけない。「分かりやすいことは、もちろん優れたことなのですが、読書には『自分で噛み砕く』『自分で咀嚼する』といった重要な過程があるはずです。今のような本ばかり増えて行くと、顎の弱い、すぐにお腹を壊してしまう、虚弱な日本人が多くなると思います」と、ある出版社の社長さん。わしも、まったく同感です。若い受験生を見ていて思うのは、「自分でトコトン考える力」が弱いということだ。間違ってもいいから、自分の頭で考える。それを自分なりに表現する。その力が弱い、薄い。
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　夢を抱いて、実現する君よ！　わしは、心配です。夢を、絶対実現！！
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