昨日、詐欺の疑いで逮捕された音楽プロデューサー・小室哲哉さんのことに触れたが、行政書士の勉強をしている24歳の女性から、こんな質問を受けたことがある。
「著作権を持っているか、いないかは、ちょっと調べればすぐにわかること。業界の常識では、著作権の管理をしているのは音楽出版社です。つまり、小室さんは自らの名前を使って、遅かれ早かれバレるようなウソを投資家に持ちかけたわけですよね？これって、詐欺にもなっていないと思うんですけど。100％絶対に捕まりますから」。
彼女の言うことは、よくわかる。しかし、わしは事業譲渡を経験した経営者として、当座の資金を調達する苦しみもよくわかるのだ。小室さんは、アジア進出を目指した国際事業に失敗し、プライベートでも離婚の慰謝料がかさんで、家賃を滞納するまでに追い詰められていた。高額納税者番付に名を連ねたこともある人にとって、その落差はどれほどのものか。過去の自分と現在の自分の間に横たわる深い深い溝を、どのような思いで眺めたか。冷静な判断など、できなくなっていたのだろう。
夢を追いかけるにはお金の助けが必要だが、お金に追いかけられるようになると、夢は脆くも崩れ去る。人の価値はけっして金銭では計れないが、己を知る尺度にはなるのだ。
＜人生一本勝負！＞
Q：……きついっす（司法書士志望／福岡県Sさん）
A：痛みを感じるのは、成長の証！